人間は、自分の能力や実績を過大に評価する傾向があります。
これは、心理学で「自己奉仕バイアス」と呼ばれるものです。
自己奉仕バイアスがあると、自分の失敗は他人や環境のせいで、
成功は自分の能力のせいだと考えるようになります。そのため、
他人の失敗を厳しく批判する一方で、自分の失敗は許してしまうのです。
自己肯定感の低さ
自己肯定感の低い人は、自分を他人と比較して劣っていると感じているため、
他人に厳しくなることで自己肯定感を保とうとします。
他人の失敗を厳しく批判することで、自分は他人より優れていると安心することができるのです。
部下がミスをしたとき、上司は厳しく注意するが、自分が同じミスをしても軽く済ませる。
友人が遅刻したとき、厳しく怒る一方で、自分が遅刻しても「急用があって」とごまかす。
恋人が失敗したとき、厳しく責めるが、自分が同じ失敗をしても「しょうがない」と許す。
自分に甘く他人に厳しい人は、周囲から嫌われるだけでなく、自分自身もストレスを抱えやすくなります。
自己奉仕バイアスを克服するためには、自分の能力や実績を客観的に評価することが大切です。そのためには、自分の弱点や改善点を客観的に見つめ、それを克服するための努力をする必要があります。
また、自分と同じように自分に甘く他人に厳しい人がいることを理解することも大切です。
人は誰でも、自分の失敗を認めたくないという心理があります。
他人に厳しくするのは、自分を守るための防衛本能であると考えることもできます。
自分に甘く他人に厳しい人は、自分自身を責めるのではなく、
その心理を理解し、改善していくことで、より良い人間関係を築くことができるでしょう。