「人を呪わば穴二つ」とは、人を呪ったり、陥れようとしたりすると、
自分にも同じことが返ってくるという意味のことわざです。
「穴」は墓穴を意味し、人を呪ったり、陥れようとしたりすることは、
自分も墓穴を掘るようなものであるというたとえです。
つまり、人を呪ったり、陥れようとしたりすることは、
自分を不幸にする行為であるということです。
このことわざは、他人を恨んだり、憎んだりしても何も解決しない、
結局は自分に返ってくるのだからやめるように、ということです。
「人を呪わば穴二つ」は、誰の言葉でもありませんが、
平安時代に活躍した陰陽師の言葉に由来すると言われています。
陰陽師は、天文学や暦学、呪術などを扱う役職で、
権力者の依頼を受けて敵対する者を呪術で殺すという仕事も行っていました。
このとき、自分も呪い殺されることを覚悟していたことから、
自分の墓穴も掘っていたのだとか。
相手と自分の墓穴が2つ必要になることから、「人を呪わば穴二つ」
という言葉が生まれたのだそうです。
このことわざは、人を呪ったり害したりすると、
自分も同じ仕打ちにあう可能性があるということを戒める言葉です。